会社、辞めてみた ~なんとなく無職生活へ~

ぬるっと会社を辞めちゃった人の生活の記録です。

私が無職になった理由

私は新卒でとあるSIerに入社してから約10年弱
システムエンジニアとして働いていました。
小さい会社でしたが収入は平均くらいで福利厚生については平均よりも手厚く、
またパワハラやいじめといった人間関係のトラブルもあまりない会社でした。
大きな話題になるほどにブラック企業が多い世の中、
きわめてホワイト寄りの会社に就職できたのはとても運がよかったと思っています。

しかし私はその会社を昨年3月に退職し、無職になりました。
それもリストラに遭ったとか会社から辞めるように仕向けられたとかではなく、
純度100%自分の意思で、自発的に会社を辞めて無職になることを選びました。
”せっかくいい会社に入れたのにもったいない”
と皆さん思うかもしれません。
確かに私の周りの人からも実際にそのように言われたこともありましたし、
ぶっちゃけ私自身もそう思っている部分があります(笑)

この記事では、なぜ私がそんな会社を辞めてまで無職になったのか
その理由についてお話ししていこうと思います。

会社への不満はゼロ?いやそんなことは無い!(笑)

”前の会社は完全無欠ホワイト企業何も不満なんかなかったんじゃない?
と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません!
愚痴っぽくなっちゃうので詳しい内容は割愛しますが、

  • 一つの大顧客に会社が依存しており、言いなりの状態
  • 基本的に社員はみな向上心が乏しい
    →コネで仕事を得るのに苦労しないのと、成績不振の降格がない会社だったので
  • 会社の技術力が微妙
    →高い技術を要する仕事は全て外注していた。
  • 自分の考えるキャリアと実際の仕事内容が乖離していた
    →エンジニアとして専門性を高めたかったが、マネジメント的な仕事ばかり。

という感じです。
ちなみにこの記事を書くために思いつくまま書きだしてみたらA4サイズ2枚くらいの
分量になったのでかなり絞っています(笑)
ただその中には、今思うと「私の考えの方が甘かったなぁ」とか「これは自分の努力で解決できたかも」というようなものも含まれているので、決して会社ばかりが悪かったとは思っていません
むしろ会社に対しては、右も左も分からない自分を採用して育ててくれたことに
非常に感謝しています
感謝してはいますが、まぁ、それなりの不満もあった、ということをご理解頂ければ
幸いです(笑)

会社を辞めた本当の理由

確かに”会社への不満”が辞める意思の要素のひとつにはなっていますが、
その意思を決定づけるような重要なものではありませんでした。
「まぁ会社にもこういう不満もあるし、ちょうどいいかな」
くらいのもので、仮に理由が会社への不満だけなら辞めなかったと思います。

私が会社を辞めようと決意した一番の理由は別にあります。
それは”無職になりたかった”という気持ちです。
つまり、会社を辞めた結果無職になったのではなく、
無職になるために会社を辞めたんです。

無職になりたかったのはなぜか

長年勤めたせっかくのホワイト寄りの会社を辞めてまで
無職になりたかった理由はいくつかあります。

①好奇心

まず一つ目は「無職になったらどうなるんだろう?」というシンプルな好奇心です。

今までの自分の人生を振り返ってみると
 幼稚園→小学校→中学校→高校→大学→会社
と、常に何かしらのコミュニティに所属していました。
一般的に、学校は教育(されること)、会社では仕事をすることが目的なので
言い換えてみれば、いつも”すべき”ことが決まっていた人生だったとも言えます。

自分が最後に”無所属”状態だったのは幼稚園入園前の3歳頃。
もちろんほとんど記憶はないので、

「どのコミュニティにも属しない状態ってどんな感じだろうか」
「すべきものがないというのは、自由で幸せなんだろうか」
「自由過ぎると何をしたらいいかわからくなって、逆に空しくなったりするだろうか」

ということに対し、会社生活に不満を持ち始めた頃からずっと興味を持っていました。

②いわゆる”自分探し”
ダラダラしがちな私ですが、一応30歳という節目を迎えるにあたって、
「今後の人生、どうしていこうかな」
と、考えたことがあります。
でもその時に、「こうしたい!」「こうなっていたい!」ということが
全くと言っていいほど何も思いつかなかったんです。

30歳くらいになると周りの友人結婚や出産で家族が出来ていたり、
夢を叶えてやりたい仕事に就いていたり、転職してキャリアアップしていたりします。
みんな思い思いの人生を歩み、成し遂げている。
少なくとも私の目からはそういう風に見えました。

それに引き換え自分はやりたいこともわからないまま、
ただ毎日目の前にあるやりたくない仕事をこなし
安くもないけど高くもない給料を手にして、
本当にやりたいのかわからないことにその給料を使っていく日々を送っていました。

「あれ、なんだか周りに置いていかれてないか・・・?」

とあるときに思い始めた途端、急激に焦りが出てきました。
同時に「自分も頑張らないと!」漠然としたやる気が湧き上がりましたが、
それをぶつける先がないのでもどかしさが募るばかり。

とにもかくにも、まずは早急に
自分が何をやりたいのか、将来どうなりたいのかをはっきりさせる
ことが必要だと考えました。

仕事を続けながら考えることも全然できるものではありますが、
できることならば一旦自分の周りの環境をリセット心身をリフレッシュさせた上で、
やりたいことをやったり、色々なものを見聞きしたりしながら
じっくり腰を据えて考えたいと思っていました。

③フラストレーション解消
仕事にしうるような自分が本当にやりたいこと、というのはわからなかったものの
小さなやりたいことはたくさんありました。
既にある趣味以外にも、やりたいな、と思うことはたくさんありましたが、
仕事をしていると時間と気力に制約があり、なかなか実行に移せないまま
悶々とした日々を送っていました。
なので、仕事を辞めて自由な時間を確保し、たっぷり休んで英気を養ったうえ
ため込んでいたやりたいことに全部チャレンジしたいと思っていました。

④心身の疲れ
退職直前の私は勤労意欲が微塵もわかず、腑抜けたような状態でした。
また、精神的に不安定になっていたのか怒りっぽくなっていて、
ちょっとしたことですぐイライラするようになっていました。

退職前の2,3年間くらい、常に炎上プロジェクトの中で仕事をしていたんですが、
多分それが少しずつ心身に疲れを蓄積させていたんだと思います。

そんな中、疲れが一定の閾値を超えたのか
「このままだとそのうち完全にメンタルがやられて病んでしまう!」
「どんどん怒りっぽくなって性格が曲がってしまう!」
と、急に危機感を感じるようになりました。
それ以降、とにかく今の仕事から解放されたい!リフレッシュしたい!と、
強く思うようになっていました。

最後に

4つの理由を書いてきましたが、その中に決定的な理由はありません。
それぞれの理由が合わさった結果この判断に至った、という感じです。

ところで、
「”なんとなく”無職生活へってサブタイトルつけてるのに
 バッチリ理由があるじゃないか?」
と思われた方もいると思います。

確かにこの記事では理由を4つにまとめて書いてきましたので
あたかも明確な理由があって会社を辞めて無職になったように見えますね。
でも実はこの記事を書くのに2週間くらいかかっているんです。
これは”タイピングが遅いから”とか”怠けて実働は1日のみ”とかじゃありません。
当時の自分はなぜ無職になろうと思ったのか、を思い出そうとしたときに、
あまりにもぼんやりとした内容過ぎて文字に起こすのがかなり難航したからなんです。

当時の私は会社への不満や将来への焦りなど、様々な感情や思惑が頭の中で入り混じっていてうまく整理できていない状態でした。
本来ならばそれら1つ1つに対して
”それは無職にならないと解決しないのか?他に方法はないのか?”
と、一時的な気の迷いでないかの検証をする必要があると思いますが、
「まぁこれだけ理由あるなら間違いないはず。何事も経験!」
と、ろくに考えの整理をすることもなく、半ば勢いで退職を決意してしまいました。

つまり、当時は「なんとなく」だったんです。
そして今になって初めて整理してみた結果この記事に書かれています。

今振り返ると、よくその状態で辞める決断したなぁと自分でも思います。
”もっと考えを整理してから判断したほうがよかったのでは?”と、
ちょっぴり反省している部分もあります。
・・・が、まぁそれは次の機会に活かすことにします。(笑)

以上、私が無職なった理由をお話しさせて頂きました。
いかがでしたでしょうか?
様々な事情でやむなく無職になった方に比べてみれば
かなり贅沢な理由で無職になったもんだと自分でも思っていますが、
”世の中にはこういう奴もいるんだなぁ”くらいに思って読んで頂けていたら幸いです。


長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございました!